1989年にメジャーデビューしたXJAPANですが、現在までオリジナルフルアルバムはわずか3枚しか発表されていません。
その中でもメンバーのオリジナル性が重視され、ミリオンセラーを達成したのがセカンドアルバム「Jealousy」だったのです。
そんな「Jealousy」とは、一体どんなアルバムなのか?
収録曲や発売までの道のりを振り返ってみましょう!
目次
【XJAPANのアルバム】「Jealousy」とは?
X Jealousy
名盤です!#XJAPAN#最強のセカンドアルバム決定戦 pic.twitter.com/5CvYpM9Jf1— glakiro (@glakiro) January 29, 2022
1991年7月1日に発売された、XJAPANのメジャーセカンドアルバムになっています。
デビューアルバムの「BLUE BLOOD」からは、2年ぶりですね。
XJAPANは1989年4月にメジャーデビューし、全国ツアーを開催。
しかし、1989年11月のライブ中にYOSHIKIが倒れ、ツアーは延期となってしまいました。
YOSHIKIは入院中に自身の半生を振り返っていたのです。
その時に作曲したのが、後にミニアルバムとして発売された「ART OF LIFE」だったのです。
X JAPANの超大作ART OF LIFEは
もともと、アルバムJealousyに収録される予定であった。— 元祖ビジュアル系が好き (@jilssiah_03) January 28, 2022
YOSHIKIはセカンドアルバムに対し、XJAPANのメンバーにこう宣言します。
YOSHIKI
今度は2枚組で行こうと思っている。
タイトルは、ずばり「ART OF LIFE」だ!
YOSHIKIは「ART OF LIFE」をセカンドアルバムで発表しようと考えていたのです。
しかし、結果は1枚のアルバム「Jealousy」となり、リリースされることになってしまったのです。
YOSHIKIも相当、悔しかったようですね。
セカンドアルバム「Jealousy」は、初動売上で60万枚を売り上げ50週のチャートインを記録、後にミリオンセラーとなったXJAPANで最も売れたアルバムとなったのです。
【XJAPANのアルバム】「Jealousy」の収録曲やおすすめ
今日はこれ聞くにゃ〜😸#XJAPAN#Jealousy#REMASTEREDEDITION#KKBOX pic.twitter.com/11WvvYQHPH
— ぶいにゃす😺🎀🍓LINEスタンプ発売開始にゃー📱 (@buinyasu) December 31, 2019
01. Es Durのピアノ線
02. Silent Jealousy
03. Miscast
04. Desperate Angel
05. White wind From Mr.Martin ~Pata’s Nap~
06. Voiceless Screaming
07. Stab Me In The Back
08. Love Replica
09. Joker
10. Say Anything
「Jealousy」は、前作の「BLUE BLOOD」に比べ、各メンバーの個性が出ているアルバムとなっています。
メンバーのHIDEが作詞、作曲を担当した、「Miscast」、「Love Replica」。
TOSHIとTAIJIの共作となる、「Desperate Angel」、「Voiceless Screaming」。
そしてPATAによる、アコースティックギターのみの「White wind From Mr.Martin ~Pata’s Nap~」。
YOSHIKIが作った「Silent Jealousy」やインディーズ時代から演奏されていた「Stab Me In The Back」は人気がありますよね。
「Stab Me In The Back」は「Jealousy」でリメイクされ、テンポ200というのは、XJAPAN史上最速の曲となっています。
YOSHIKIは1分間に800回ドラムが叩いている計算になりますからね。
HIDEは「Stab Me In The Back」を「YOSHIKI殺しの曲」と呼んでいたとか。。
昨日、久しぶりに、Voiceless screamingを聴いた。めちゃくちゃいい歌😊この曲は、Taijiさんが曲を書いて、Toshiさんが詩を書いていて、僕の中では隠れ名曲だと思うんですけど。皆様はどうですか? pic.twitter.com/rrbp59w5Sp
— JUN (@WINGSAKAGAMI) March 29, 2020
名曲揃いの「Jealousy」ですが、注目されているのが「Voiceless Screaming」なのです。
レコーディング中に喉を潰し歌えなくなったTOSHIが、作詞に専念することに。
TOSHIが壮絶な想いで書かれた詞に、TAIJIが作った曲が乗せられているのです。
「Voiceless Screaming」はTAIJIのギターの才能を見せつける曲でもあり、あのPATAに「あんなに上手くは弾けない」と、言わせたほど。
ちなみに、HIDEも「俺には弾けない」とのこと。。
ギターが本職のHIDEとPATAに弾けないと言わせてしまう、TAIJIの実力は恐ろしいですよね。
XJAPANのライブでは、TAIJIがアコースティックギターを弾いていますからね。
【地獄のレコーディング】アルバム「Jealousy」の発売日まで
メジャーデビュー後の全国ツアーを終えたXJAPANは、1990年6月からセカンドアルバムの準備をするために活動を休止を発表。
メンバーが個別に創作活動するためにも、6カ月の長期休暇が用意されたのです。
メジャーデビューからわずか1年のバンドが、6カ月の休暇を取るというのも、凄いことですよね。
YOSHIKIの消耗した体や心、 XJAPANの更なる飛躍を考えれば、半年でも足りなかったのかもしれませんが。。
日本ではレコーディングに集中できないと判断し、海外レコーディングを希望。
YOSHIKIは、当時から日本のロックバンドでは誰も無し得なかった「海外進出」を意識していたのです。
海外進出に対し、このように意気込みを語っていました。
YOSHIKI
アメリカやイギリスを回るコンサートもしたいし、全米や全英でCDも販売したい。
活動の場が日本だけに限定されるなんて面白くないじゃん。
YOSHIKIの目指す思いに、メンバーも賛同していたのだった。
レコーディングの場所については、YOSHIKIは「ロンドン」、TOSHI、HIDE、TAIJI、PATAは「ロサンゼルス」を希望したとか。
多数決により、「ロサンゼルス」に決定したそうですよ。
1990年11月、XJAPANのメンバーはロサンゼルスのコンドミニアムへと集まったのです。
翌日には近くのスタジオに集まり、それぞれが作った曲を披露しながら、津田直士さんとアレンジプランを練り始めることに。
メジャーデビューアルバム「BLUE BLOOD」は、 YOSHIKIがメインで制作をしていましたね。
しかし、今回のセカンドアルバムは、HIDEとTAIJIはもちろん、TOSHIとPATAも作詞や作曲に参加することになっていたのです。
XJAPANのレコーディングと言えば、いつも時間との戦い。
「Jealousy」は、日本を離れ締め切りに追われるようなレコーディング環境を用意し、納得のいくアルバムを作りたかったとのこと。
しかし、ロサンゼルスに当着してわずか10日でレコーディングは中断することに。
リハーサルでドラムを叩いていたYOSHIKIが倒れ、病院に運ばれたのです。
絶対安静を余儀なくされ、痛みはこれまでで一番酷いものだったとか。。
「今ここで、死にたい!!!」叫ぶYOSHIKIを見たメンバーは、取り返しがつかない事態だと感じていました。
YOSHIKIは、渡米する前に医師にこう伝えられていたのです。
「これまでのようにドラムを叩くことはもう止めなければならない。」
「体に障害が残り、命の危険がある。」
「削れた骨で神経が圧迫され、激痛が走る。」
ドラマーとして、致命的な宣告を受けていたYOSHIKIだったのです。
YOSHIKIは「ドラムを奪われることは、命を失うことと同じ」そう考え、医師のアドバイスを無視してロサンゼルスへと向かったのです。
スタジオに残されたメンバーはそれぞれが作詞作曲をしながら、YOSHIKIの復帰を待つことに。
そして、年が明けついにYOSHIKIがスタジオに戻ってきたのです。
#1991年6月7日#ミュージックステーション
出演舞台裏#X 会報から#Jealousy #SayAnything のレコーディング中 #TOSHI は喉から血を出し #YOSHIKI と壮絶なレコーディングを行ってた頃
このあとTOSHIはL.A.で喉の手術をうける#XJAPAN@yoshikiofficial@XJapanOfficial pic.twitter.com/isQ0JU8Ry2— onioniX@勇往邁進 (@oniakax) July 1, 2021
ところが、今度はリハーサルで喉を痛め擦れた声で歌い続けたTOSHIが、医師から「1ヶ月の発生を禁ずる」と、告げられたのです。
病院で治療し、ボイストレーニングを受けていたTOSHIがレコーディングに復帰できたのは、1991年3月に入ってからのこと。
そんな中でもYOSHIKIは「TOSHIの声を自分の理想に近づけたい」との思いが強かったのです。
「TOSHIにとって過酷なレコーディングになる」と覚悟をしていましたが、超えていかなければ新しい音楽は生み出せないと考えていたのです。
TOSHIがレコーディングブースに入ると、YOSHIKIはこれまで以上の厳しさで理想を求めたのです。
YOSHIKI
その部分、声の擦れ片はもう少し荒い方がいい。
愛には、無条件の愛と打算が込められた愛があるでしょう。それをタペストリーのように織りあげてほしい。
狂気を伝える詞を、狂ったように歌っても本当の怖さなんか出ないんだよ。
そんなふうに歌っても人の心は打てないよ。
TOSHIは、スタジオとコンドミニアムの往復に疲れ果てていたのです。
しかし、それでも完璧主義のYOSHIKIは手を緩めることはなかったと言います。
一番納得いかないのは、TOSHIが洗脳されるきっかけを作ったのは確かに信仰宗教団体の勧誘だったけど、TOSHIがそこまで疲れ果てたのは、YOSHIKI曰く「TOSHIのかすれ声まで自分の頭の中にあってそれが再現できるまでレコーディングする」という、過酷なレコーディングにあったはず
— むさし (@carry634) March 12, 2017
YOSHIKIには「自分以上にTOSHIの声を理解し、知り尽くしている者はいない」という自負があったのでしょう。
YOSHIKIとTOSHIの戦いには、HIDE、TAIJI、 PATAも口を挟めないことはわかっていたのです。
「永遠に終わらないのではないのか?」メンバーが心配する中、レコーディングは5ヶ月にも及んだでした。
1991年5月7日、ロサンゼルスで記者会見に臨んだYOSHIKIは「新しいアルバムのタイトルは『Jealousy』であり、7月1日に発売する」と、発表したのです。
ついに発売日も発表され、レコーディングは終盤に。
先の記者会見では「6月5日に帰国する」と、発表したにもかかわらず、帰国が迫ってもTOSHIのボーカル録りは終わらなかったのです。
YOSHIKIもTOSHIも3日3晩スタジオにこもり、30分ほどの仮眠を取る日々。。
TOSHIが鼻血を出しながら歌う姿を見たYOSHIKIは「もう、止めよう・・・」と、弱音を吐くことも。
それでもTOSHIは歌い続け、命懸けで「Jealousy」の完成を目指したのです。
そして、ついにタイムリミットが。。
6月5日に帰国しマスターテープを日本へ届けなければ、7月1日のアルバム発売は失敗に終わってしまうのでした。
自分達のパートを取り終えたHIDE、TAIJI、 PATAは予定通りに成田に降り立つことに。
しかし、YOSHIKIとTOSHIはまだロサンゼルスのスタジオから離れていなかったのでした。
YOSHIKI
ここで妥協して作業を終わらせることは簡単だよ。
でも、これじゃあこれまでやってきたことがぶち壊しになる。
そんなアルバムなら出さないほうがいい。
スタッフに凄んだYOSHIKIは、同時に抑えていたスタジオを走り回っていた。
しかし、6月6日の午前の便でYOSHIKIは強制的に日本へ連れ戻されることになっていたのです。
「6日の午前3時にレコーディングは終了する」と、スタッフに宣言されることに。
それでも、YOSHIKIの中にはどうしても納得のいかない曲があり、受け入れることができなかったのです。
YOSHIKI:「こんなんじゃダメだ。この曲のボーカルだけ、もう1回録らせてほしい。」
スタッフ:「もう、本当にぎりぎりなんで、これでいきます。」
YOSHIKI:「絶対に嫌だ!これじゃまだ人の心は打てないんです。だったらこの曲をアルバムから外してほしい。」
スタッフ:「それは無理ですよ。日本ではジャケットの印刷も全部終わっていますから。」
連日のレコーディングで虚ろになっていたYOSHIKIは、抵抗する間もなくスタジオから引きずり出されたのでした。
それでも「日本へ帰らない」と、自分の車でコンドミニアムの自室に帰ってしまったYOSHIKI。
そして、誰も入れないように鍵をかけるという。
スタッフはドアを叩き、声をかけたがYOSHIKIは反応しません。
痺れを切らした数人のスタッフが、ドアをこじ開け部屋へと入ってきたのです。
ソファーで意識が朦朧としているYOSHIKIをスタッフが抱きかかえ、そのまま空港へ向かい飛行機へと乗り込むことに。
「このまま諦めさせられて、終わっていいわけがない。俺は絶対に諦めない、絶対に・・・」
成田でYOSHIKIを出迎えたのは、ソニーの十数人のスタッフ達。
「ソニー社員3000人がこのマスターテープを待っていたんです。工場も24時間フル稼動できる体制にして、空けてあります」スタッフに言われたYOSHIKIは、すがるような思いで声を出したのです。
YOSHIKI
あと1曲だけなんだ。
あの曲のボーカルを取り直す時間を作ってくれ!
そんなYOSHIKIの思いが通じ、ついにボーカルレコーディングのための36時間を獲得したのでした。
6月7日の晩、YOSHIKIはTOSHIと二人で信濃町のスタジオへと駆け込み、最後のレコーディングを行ったのです。
そして、念願のボーカル録りが終わったのは、9日の朝。
ここに、2年2ヶ月におよぶレコーディングが終わり、セカンドアルバム「Jealousy」が完成したのでした。
ART OF LIFEは?「Jealousy」が1枚のアルバムになった理由
ようやく買ったXのJealousyを聞いている。昔は未完成でリリースされてとっちらかったアルバムという印象だったのだが、これ一枚ものでリリースされて正解だったのでは。
— ぬっき (@nukki0923) February 8, 2022
SONYが上場するため、アルバムの発売日が早まったからなのです。
レコーディング中、SONYの関係者がYOSHIKIの元を訪ました。
「二人きりで会いたいです」そう言われたYOSHIKIは、担当直入に聞いた。
YOSHIKI:「何かあったんですか?」
SONY:「実は、来年SONYが株主を上場するのですよ。」
YOSHIKI:「へぇ、そうなんですか。」
なぜ、そんなことを聞かされるのか意味を計りかねていると、SONYの関係者は話しを続けた。
SONY:「上場を申請するには、5年間の経営利益が右肩上がりでなくてはならない。91年は提出する最後の年に当たり、昨年を上回る必要がある。」
SONY:「今回、2枚組のアルバムを発表する予定だということですが、1枚にしてくれませんか。そして、発売時期を早めて欲しいんですよ。」
と言われたのでした。
当然、納得のいかないYOSHIKI。
YOSHIKI:「嫌ですよ。それに上場なんて、Xに関係あるんですか?」
SONY:「今年、XのCDが50万枚売れれば我が社が必要とする売り上げが達成され、上場できるんです。」
YOSHIKI:「タイムリミットは?」
SONY:「7月1日の発売です」
YOSHIKI:「僕が断れば?」
SONY:「上場できなくなるのかもしれません。このアルバムには社運がかかっているんですよ。」
そのような話しを聞いて、YOSHIKIはこう思ったのです。
「また音楽とは全く関係ないところで自分達の創作活動が縛られてしまうのか。」
「これがメジャーでやるということだったのか。。」
数日考えた後、YOSHIKIは仕方なくSONYの要請を聞き入れたのでした。
2枚組アルバム「ART OF LIFE」の構想は白紙に戻し、7月1日に1枚のアルバムを出すことを承諾したのです。
YOSHIKIとしては不本意ではありますが、SONYに所属している以上はしょうがない選択だったのかもしれませんね。。
【XJAPANのアルバム】「Jealousy」に対するファンの声
㊗️jealousy release!30周年!🥺
🎼✨💕🙅♀️💕😂
1991.7.1#XJAPAN #Jealousy 💿✨#Jealousy30thAnniversary #YOSHIKI #Toshl #HIDE #PATA#TAIJI #wearex 🙅♀️ pic.twitter.com/5oig2Ez9rb— 🍓Yu_D🍮 (@ymdessen) July 1, 2021
jealousy発売から、もう30年も経ったのかぁ
当時厨二だっけ
そりゃ四十路も超えてるわけだw
silent jealousyがXの全てを表した名曲中の名曲なのは間違いないが、voiceless screamingの美しさは何年経とうが色褪せない
これがわかる中坊で良かったw
しかしむずいわ、このギター#XJAPAN pic.twitter.com/usWCAMvmyc— アラフォー (@yuto_monstriker) January 10, 2022
#xjapan のセカンドアルバム #Jealousy 発売されて30年かあ。 。
— Ognis Japan (@ognis_japan) July 1, 2021
何と、今日はXJAPANの名盤、セカンドアルバム『Jealousy』の発売日だったか。
この年は画像みたいに「静かなX」というアコースティックライブをやったが、今年は奇しくも七月にYOSHIKIの首の手術によりツアーがアコースティックライブと言う形になったんだな… pic.twitter.com/mlAvEiqq6o— 中嶋條治 (@nakajimaclub) June 30, 2017
X japan の有名なセカンドアルバム「jealousy」って名義がXなのか… くそかっこええ
— 芒原ぴか (@h793Spica) September 17, 2013
まとめ
XJAPANのアルバム「Jealousy」の収録曲やおすすめ、発売日までをまとめています。
XJAPAN史上、最も過酷なレコーディングが「Jealousy」だったのではないでしょうか。
だからこそ最高傑作とも言われていますし、メンバーの個性が詰まった完成度の高いアルバムとなっていますよ。
ぜひ、チェックしておきましょう!
XJAPANのアルバムまとめ